「心的外傷」を意味するトラウマという言葉
Traumaはもともと精神医学の世界で使われていた専門用語でもとはドイツ語です。昨今はメディアでも取り上げられるようになってその意味を知らない人はほとんどいないと思いますが、案外間違った使い方をしている人が多いと思います。何かショッキングな出来事があって「マジこれトラウマになるわ」なんて言う人がいますが、人間の脳は強いストレスに対する対処能力や回復力をもともともっていますので、不快な出来事に遭っても時間の経過とともに印象が薄れていったり、思い出すことが減っていったりします。その場合は不快な体験は記憶として残ったとしても、生々しい感情や感覚は脳内で処理されていくのでトラウマ(=心的外傷)にはなりません。
トラウマとは、不快な出来事のインパクトが脳の処理能力をこえてしまったために情報処理過程の「焦げ付き」が生じた状態だと考えてもらうと分かり易いと思います。情報処理過程の焦げ付きが生じると、同じ場面が繰り返し生々しく蘇ったり(フラッシュバック)動悸や硬直などのパニック反応が生じたり睡眠障害が生じたりします。つまり「過去がちゃんと過去になっておらず、現在進行形で反復体験される」状態になってしまうのです。
当オフィスで実施しているEMDRやホログラフィートーク等のトラウマ焦点化療法は、物理的刺激やイメージを効果的に利用しながらこの「焦げ付き」を治療(厳密にいうと再処理)します。具体的にどのようなことをする治療なのか、1回の施行時間、治療に要する期間、具体的にどのような効果があるのかについては、別記事でご紹介させていただきたいと思います。
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