心配事やストレスが多いと思わずため息をついちゃうことってありますよね。実はため息には迷走神経・中枢神経・脳と連動して心身のバランスを整えるはたらきがあることが分かり、世界的な科学雑誌 Nature にもため息 (sigh) の効果について検証した論文が掲載され話題になったことがあります。私はEMDRの補助技法として、呼吸とイメージを組み合わせた安定化テクニックというものを時々使いますし、標準的なEMDR治療の手続きのなかにも呼吸法が必ず使われます。
アニメ化されて大ヒットになった漫画『鬼滅の刃』では「水の呼吸」「雷の呼吸」など、主人公たちが駆使する剣術に呼吸の型名が付けられていますね。あんな超能力みたいな技でなくても、誰にもすぐに実践できる呼吸の型があります。私はEMDR治療経験を活かしてストレスを低減させる「上手なため息のつき方」をクライエントの方々にお教えしています。簡単なのでここでもご紹介しますね。
1 ストレスを感じる身体部位(胸・肩・頭など)を特定する。
2 大きく息を吸い込み、呼気が1の部位に行き渡るイメージをつくる。これは何となくそんな感じになればOKです。
3 少しの間(3秒程度)息を止め、呼気が1の身体部位を満たしていることを確認する。あくまでイメージなので何となくでいいです。
4 ゆっくり息を吐く。このときに大事なのは口をあまり開かずフゥーーッという感じで「芯を整えながら徐々に吐く」ことです。思いっきりハアッと吐き出したら駄目です。具体的に説明すると1の身体部位に満たされた呼気によって不快な内部感覚を体外に排出するような感じです。ゆっくりというのは吸う1秒:吐く3秒くらいの感じです。
5 不快な身体感覚が減少しているのを確認し、不快感が消えるまで1〜4を繰り返す。
3の息を止める段階は省略可能です。息を止めている間に考えがぐるぐるしちゃう人がいるので、その場合はこの段階をスキップしてください。どうですか? 言葉で説明すると長いですが、やればすぐ感じがつかめるので簡単ですよ。効果抜群なので「なんで効くの?」って驚くと思いますが、原理については別の記事で書きたいと思います。
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